あざ

あざ(痣)とは
皮膚の一部が周囲と色や状態が異なる斑紋です。
【あざの種類】
赤あざ:血管が異常に増殖した血管腫や、生まれつき血管の形態が異常な血管奇形
茶あざ:真皮で発生する母斑である蒙古斑(もうこはん)や太田母斑(おおたぼはん)、表皮のメラニン色素が増加した状態での扁平母斑(へんぺいぼはん)、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や外傷性色素沈着など
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【茶あざ】
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-太田母斑-
頬や目の周囲など、主に顔面の片側に生じる灰色~青色調のあざで、治療が完了すると再発することはほぼ無いためレーザー治療を積極的におすすめしています。治療後すぐには薄くならず、レーザー照射後2か月後くらいから徐々に薄くなります。3~6か月ごとに複数回の治療を必要とします。 -
-ADM-
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、遺伝や紫外線、女性ホルモンの乱れ、摩擦などによる刺激などが原因で顔面に現れる青灰色から茶褐色のシミのような色素沈着性皮膚疾患です。 -
-外傷性色素沈着-
外傷を負った際に傷口に入った異物や強い炎症が原因となり色が残ったものです。受傷後2年程度経過しても色が残っている場合はレーザー治療の対象となります。 -
-異所性蒙古斑-
東洋人のほぼ全員に認められるありふれたものでほとんどが10歳くらいまでに消えますが、色の濃いものは成人しても消えない可能性が高いですので、早期のレーザー治療をおすすめしています。3~6か月ごとに自然消退が期待できる濃さになるまで治療します。中高生~成人してからも治療は可能ですが治療効果が落ちますのでできれば乳幼児期にご相談ください。
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◆ピコシュア
メラニンに対して吸収の良い波長の光(ピコレーザー:当院ではアレキサンドライトレーザー:755nm)を当て、皮膚を守りながらメラニンだけを破壊することを目的とした治療です。
《適応疾患》
・太田母斑(主に顔面に生じる灰青色のしみ)
・外傷性色素沈着症(怪我による色素沈着)
・異所性蒙古斑(臀部以外に生じる蒙古斑)
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※当院のピコシュアはQスイッチレーザーではなくピコレーザーですが、承認を受けた機器であり、適応となっております。
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【赤あざ】
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-単純性血管腫-
単純性血管腫(たんじゅんせいけっかんしゅ)は、生まれつきの赤あざで、毛細血管が過剰に増えた状態です。赤ワイン色をしていることから「ポートワイン血管腫」とも呼ばれます。自然に消失することはなく、無治療だと徐々に色が赤紫色に濃くなり、盛り上がることがあります。成人してからではレーザー効果が悪いことがある為、できるだけ早期の治療開始が望まれます。色が濃いもの、広範囲のものは完全に消えず、成人しても赤みが残ることがあります。 -
-血管奇形-
血管奇形とは、血管や脈管が先天的に異常な形で形成された疾患です。動脈奇形、静脈奇形、動静脈奇形、毛細管奇形、リンパ管奇形などがあり、遺伝性や他の奇形を合併しているものもあります。 -
-毛細血管拡張症-
毛細血管拡張症は、皮膚の表面に近い場所にある毛細血管が拡張している状態で、頬、鼻、体幹などによく起こります。頬に網目状に広がると一見しみやくすみのように見えることもあります。血液に含まれているヘモグロビンに反応する光を照射し、毛細血管を収縮・破壊することにより赤みが目立たなくなります。※血管拡張症が適応ですので、いわゆる赤面症(赤くなったり白くなったり)への治療適応はありません。
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◆VビームⅡ
VビームⅡは、主に赤い色に反応する595nmの波長の色素レーザーです。レーザー光照射と同時にマイナス26℃の冷却ガスを吹き付けることで皮膚の表面を守り、照射の痛みを軽減させ皮膚の深部までの治療が可能になっています。当院採用のVビームⅡは、従来機と比べ照射径が大きいためまだらになりづらく、照射後のダウンタイムも軽くなっています。
奈良市内では2台のみの導入となっており(2025年2月時点)、当院では多くの症例を扱っております。
《適応疾患》
・単純性血管腫
・毛細血管拡張症
・いちご状血管腫(乳児血管腫)